幼なじみ〜first love〜
――…ねぇ、蒼


時間は一秒、一秒
過ぎてゆくね


あの頃にはもう、戻れないけど



想いだけは

ずっと繋いでいけるんだよ



あたしが忘れるのは

忘れようとするのは


信じて描いてた

“蒼との未来”



それだけだよ……





蒼を好きになったことも

蒼と愛し合ったことも



過去は消さない


忘れない……




幼なじみとして



小さい頃から願い続けた

変わらない想い



“蒼が幸せでありますよぉに”



願うよ…これからも



いくら月日が経っても

この想いだけは



ずっと…繋いでいく






「…ねぇ、蒼…沙羅と幸せになってね」




「…………ん」




「…今のあたしはね…遊也がいてくれたから、いるようなものだから…」




「…遊也は…いいヤツだよ」




「ん……わかってる」




「絢音……」




「…昔に戻っただけだよね…?あたしたち…」




幼なじみという


蒼とあたしの関係に……




戻っただけ




蒼の幸せは

あたしの願い


あたしの幸せは

蒼の願いだから




それが

あたしの20年間の

“生きてきた意味”でも
あると思うから…




これからもずっと…


この想いだけは…―――。






――…けれども、想いが強すぎて……




あたしたちは


罠に堕ちてゆく……―――
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