幼なじみ〜first love〜
“絢音の父親でいたい”
この言葉はあたしの心に深く突き刺さった。
「俺だって、たくさん悩みました。遠回りもしたし、周りの人のことを考えたら、やっぱり俺たちは結ばれるべきじゃないことも…。」
「だったら…もう諦めてくれ」
「でも俺の大切な人が教えてくれました。“一度しかない人生、想い合えたことは奇跡だと…大切なモノ見失ったらあかん”って」
蒼…遊也のこと言ってるんだね
「俺は絢音に出逢う為に生まれてきたし、絢音がいるから生きたい…そんなふうに思える人とこうして出逢えたから。だから…絶対に諦めたくない…!!…お願いします…涼介さん…認めて欲しい…俺たちのこと…」
「……すまない…蒼……けど…絢音をそこまで愛してくれて……ありがとう……」
「何度だって…来ます…。許してもらえるまで…」
――……
あたしたちは、新しい人と暮らしているママの所にも何度も会いに行っていた。
ママが蒼の目を見ることは、一度もなかった。
“絢音のママでいたいの”
“どうして他の人じゃダメなの?”
ママもパパと同じで、蒼とあたしのことを認めてくれることはなかった。
ママは、蒼を憎むことで、なんとか立っていられると…生きていけると…だから諦めてと、そうあたしたちに言った。
初めからわかっていた
それでも遊也の言葉や
遊也の想いがあったから
あたしたちは諦めなかった
今のあたしたちを動かしているのは遊也だよ
なんとかして認めてもらおうと、3ヶ月近くこのようなことを続けていた。
それでも状況が変わることはなかった。