幼なじみ〜first love〜

空が一面オレンジ色に染まっている。




夕暮れ時…もうすぐ日が落ちる。




蒼を見送った後、あたしは一人、河原に座っていた。




目を閉じて、あたしはあの時のことを思い出していた。










――…今から3ヶ月前、遊也は亡くなった…。




患っていた病気ではなく、交通事故だった。




あたしたちが病院に駆けつけた時には、すでに遊也は亡くなっていて…




あたしは遊也の遺体の前でただ泣くことしかできなかった。




『ゆうやぁぁぁ…!!』




あたしは遊也の身体にもたれかかり、早すぎる別れに胸がちぎれそうだった。




『ゆうやぁ…ねぇ……笑ってよぉ……なんか…言ってよぉ……!!あたしまだ…遊也に…何もしてあげてないよぉ…っ』




頭の中は真っ白で




それでも動かない遊也を




必死で揺り起こそうとしてた




『絢音…やめろ…』




蒼があたしの腕を掴んだ




『やめろ…っ』




『離して…っ!…蒼…嘘だって言って……こんなの…全部うそだって……お願い……そう…言ってよぉぉぉ……』




あたしはもう自分の力では、立てなかった。




――…バンッ!!




扉が勢いよく開き、ケンちゃんと美々ちゃんが来たのは覚えている。




そこから記憶がなくなった




あたしはそのまま意識を失った
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