私の似顔絵描いて
「よし、あとは口を描きおわれば…」


2時間くらいたった頃、ようやく残すは口のみとなった。


でも、おかしいな…


さっきは青みがかったきれいな瞳だったのに、心なしかくもってきたような…


髪も灰色っぽくなってきてない…??


でも…太陽光の加減かもしれないし、いっか。


そうこうしているうちに口も描き終えた。


「はい、出来上がりましたよ♪」


「そう、ありがとうございました。」


彼女はそう言ってそそくさと道を曲がって行ってしまった。



「あれっ、待って、絵は――――」


私も道を曲がると…



そこは一直線で何もない道なのに、彼女はいなかった。


この道は少なくとも100mはある。

それに道とはいえ、石垣が2人分くらいの幅があいているだけ。


どこかに隠れることもできないはず―――


何だかそのとき、嫌な予感がした。


ぞっとする空気が背中を伝う。
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