ねいきっど
missing
今日も外は肌寒い。

俺、須賀田水平は白い息を吐き出しながら通学路の坂道を歩いている。

明日も寒いだろう。明後日も、次の日も…

「おっはぁ年越しても変わらずシケた面して突っ立ってんじゃないわよぅ」

やかましいのが来やがった。

髪を後ろで引っつめた女子高生、宮澤都子。

なかなかの美少女だが性格に難有り。

クラスメートで幼なじみという稀有なステータスを持ちながら、俺からしたらあんまし嬉しくない。

「どうしたのよそんな顔してたらブサ面が余計に歪んじゃうわよぅ?」

ケラケラ笑うウザい幼なじみに俺はほっとけと悪態をつく。

「そだぁ、今日来る転校生どんな子だろねぇ」

転校生…そうだ転校生。クラスの編成人数が少ない為か自動的に転入生はウチに来る。

そしてその転校生が本日からクラスの仲間になるワケだ。

「こういうイベントにゃぁ俺は興味持てんね。」

「やぁだぁ水平ったらカマトトぶっちゃってぇ~」

「せぇよ…美少女転校生なら両手挙げて喜ぶがな」

冗談を織り交ぜた会話が続く通学路は何ら変わらず学校まで続いて行く。

雲の切れ間から差し込む陽光がアスファルトに反射していた。
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