線香花火
どれくらい時間が経っただろう?

10分?いや30分?

実際はすごく短い時間だったのかもしれない。

でも僕の目には一枚の絵画を見ているかのように、ずっと手を合わせて願い事をしている君の姿が映し出されている。


やっと君は顔をあげ、こちらを振り返った。

はっきりとした綺麗な顔立ちだが、どこかあどけない感じだ。


そんな君に僕は目を奪われた。



君は泣いていた。
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