ベイビーベイビーベイビー
 
 冴子は携帯電話を鞄から取り出しすと、早速真理江にメールを打ち始めた。


――お疲れ様!
  真理江、大丈夫?
  熱とかあるの?――

 そんな風に短いメールは、すぐに送信された。

 すると意外なくらい早く、真理江から返事が入った。


――ありがとうね、冴子。
  冴子、私、もうどうしていいのか
  分からない――


 冴子はそこにある文字に目を疑った。

 真理江は風邪なんかじゃなかったのだと、この時初めて冴子は気付いた。


 ちょうどその時、冴子の乗る電車が途中の駅に着き、聞き慣れたメロディーを合図に扉が開いた。

 冴子は迷わず電車の外へと飛び出した。

 そしてもう一度今来た方向に向かう電車に乗り換えると、真っ直ぐに真理江のマンションへと向かう事にした。


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