ベイビーベイビーベイビー
 

 電車を乗り換えてから20分後、冴子は真理江のマンションに到着した。

 そしてマンションの1階、エントランスと居住スペースとを阻むオートロックの重そうな自動扉の前に立ち、突然の訪問というのに少しも躊躇う事なく、冴子は真理江の家の呼び鈴を鳴らした。


 案の定、真理江はとても驚いた様子であったけれど、冴子の訪問を喜び、急いでロックを解除した。

 エレベーターで5階まで上がりドアを開けると、そこにはルームウェアにカーディガンを羽織った軽装の真理江が立っていた。


「ごめんね、こんな格好で」

 ノーメイクの真理江を見れば、やはり真理江は元より美しい女性なのだと、冴子は改めて思い知らされるのだった。



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