ベイビーベイビーベイビー
 

「で、会うの?」

「分からないわ。
 でも私も理由があれば東京に出掛けやすいし、時間が合えば食事くらいはするつもりよ」


 こうして一通りの話を聞いた藤堂は、愚痴を漏らしながらも、麻美がこの縁談を即刻断る様子ではない事が分かった。

 これは少なからず藤堂にとってショックであった。

「へぇ…・・・」

 そう力なく言うと、藤堂は次の言葉を選び兼ねた。


 それにしても藤堂が麻美にプライベートなことをここまで根掘り葉掘りと聞くのは、今までにないことであった。

 そのためだろう、とうとう麻美も、

「どうしたの?今日の藤堂さん、何か変よ?」

と、いつもと様子の違う藤堂の思惑を勘繰った。


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