爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
葉子はこの流れになるのではないかと予想はしていたので、正座に座り直した。


「うん。良いわよ。なんの話?」


「五条の事だよ。」


葉子は安堵した。真幸の事を深く追求されるのではないかと思っていたからだ。


あまり追求されると、和葉が男に襲われた話をしないといけなくなってくる。


無事で何も無かったとは言え、人の想像力を刺激する話だ。本当は何かされたのではないか…と思う者もいるだろう。そして噂となり、無責任にも尾ヒレが付き事実と異なってくる。


だから葉子は、なるべく話をしたくなかった。この手の噂は、流れるのが非常に早い。秀一の事は信用しているが、壁に耳あり…だ。


「うん、和葉がどうかした?」


「噂が流れてる。男に襲われたって。」


「なっ…それ誰が?ドコで流れてるの?」


「順番に話すから、落ち着けよ。昨日の朝、練習に遅刻してきた奴が、キョドって廊下を歩く五条を見たらしいんだ。フラフラしてる様にも見えたんで、大丈夫かと声をかけようとしたら、生徒会室に入ってしまった。でも、部屋に入る前にハンカチが落ちたので渡そうと拾ったら、それは切られた制服のリボンだった。」
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