爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
葉子の顔色が強ばってゆく。秀一は話を続けた。


「そいつも動揺してしまって、リボンをポケットに突っこんでその場を去ったんだ。練習後、部室でそいつの制服から切られたリボンが出てきて、この話になった。男子陸上部のメンバーがこの話を全員知ってるから、口止めはしたけど…口に戸は立てれないからな。」


葉子はしばらく黙って聞いていたが、思い詰めたように重い口を開いた。


「秀には本当の事言っておくわ。」


葉子は背中を丸めて、慎重に話をはじめた。


「…と言うわけなの。それで真幸君のチケット販売も協力してて。昨日、秀のお姉さんから制服借りたのは、和葉の制服が出来るまでの代用にね。」


「あぁ、昨日あいつの制服を貸してくれって来た時、そうじゃないかと思ってた。でも父さんもアネキもいたから、話が出来なかったんだ。」


「お姉さん、何も聞かずに貸してくれたけど、何か言ってた?」


「ん?まぁ…。」


秀一は顔を下に向け、一瞬ためらった。


「『制服でHして、汚しちゃった?』とかなんとか言ってた。お前と一緒にすんなっつうの。」
< 25 / 65 >

この作品をシェア

pagetop