メトロノーム 【完】
「七海は悪くないから。」

「え?」

「俺も、同じだから。」



頭にハテナが浮かび

こうちゃんの次の言葉を待つ。



「元カノが、俺のこと『こうちゃん』って呼んでたんだ。
七海に元カノを重ねてた。」

「・・・」

「だから俺も七海を傷つけてる。ごめんな。」

「ううん。」



私達は、傷をなめあっていたのかな?

こうちゃんに隼人を。

私に元彼女さんを。

重ねていたの?



浮気されても好きで、憎くて。

憎くて、それでも大好きで。



ひとりでは、どうしようもできなかった。
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