メトロノーム 【完】
いつもの公園の入り口に、静かに車は止まる。



「でも、途中から七海のこと本気になってた。

七海の笑顔を守りたい。七海を支えたい。
気がついたら、そう思ってた。」



私は膝に置いたバッグを見つめたまま、また涙が溢れる。



「本当にごめんなさい・・・。」

「もう謝らないで。俺、七海の気持ち気付いてたから。
それでも、七海と一緒にいたかった。・・・ごめんな。」



フルフルと首を横に振る。

こうちゃんは、全部分かってたんだね。

はじめから私の気持ちがどこにあったのか。

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