メトロノーム 【完】
『恋人』に戻ってからというもの、隼人くんへのメールは慎重に文章を作って何回も読み直して送信するようになった。

また重いって言われないように自分の気持ちを押し殺してメールを打っていた。

隼人くんが私を嫌いにならないように。


つらいって言えばつらいのだけど、今の私には『隼人くんと一緒にいる』それだけだった。




今日みたいな休みの日は、部活が終わると隼人くんから電話がかかってくる。


少し茶色く染まった長い髪の毛を束ねていると、いつも通り隼人くん専用の着うたが鳴る。


「もしもし?」

「七海、今どこ?」

「家だよ。」

「俺んち・・くる?」

「・・うん。」



そして今日も体を重ねるんだ。
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