メトロノーム 【完】
次の日の朝、教室のドアを開けると同時に、里菜が走り寄ってきた。

「七海・・・。

隼人くん土曜日、他校の女の子とデートしてたって。」

「え?」


隼人くんが

私じゃない女の子と

デートしていた?



「・・デートくらいするよぉ!隼人くんかっこいいから。

他の子も放っておかないよね。」


そう言って強がってみたものの里菜には見抜かれていたようで

そのまま手を引っ張られて、教室の隅に移動する。



「キツイ言い方だけど、隼人くんが七海と付き合うのは、都合よく呼び出せる女の子がほしいからなんじゃない?

最近の七海、全然楽しそうじゃない。隼人くんに合わせて、まるで操り人形だし。虚しくないの?」



確信をつく里菜に思わず押し黙る。
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