Drop Piece



だから、皆の前では笑ってる。

心配かけたくない、から。

だから友達の前では。



…ロッカーと鞄は開けない。



「あ、次!移動だ!!」

「先行っててー、ロッカーから荷物取ってくる!!」

「待ってるよ!!」


だいじょぶだってばー!と言って一人ロッカールームに戻った。



ロッカーを開ける前はまず深呼吸。



じゃないと。


「あちゃー…生物の教科書、やられちゃってる」


自分を支えられない。



教科書、ノートに書き尽くされた非傍中傷のコトバ。


「置き勉やめろってことだよね」



ダメになっちゃった教科書、ノートは全部鞄に入れて持ちかえる。


「鍵さん、ちゃんと守ってくれないと!」

少し泣きそうになりながら、無理矢理笑ってロッカーに付けている鍵をつっついた。



「せんせーい!教科書、ノート忘れちゃった!」

「高崎、俺の見るー?」

「直人の落書きだらけじゃん!読めないよー」

「光、あたしの見なよ」

「わー!優美、大好きっ」

「俺はー?」

「うん、好き好き」

「適当ー!」

「お前ら廊下いくか…?」

「「「やだー」」」



友達がいれば、大丈夫。



< 154 / 340 >

この作品をシェア

pagetop