Drop Piece
だから、皆の前では笑ってる。
心配かけたくない、から。
だから友達の前では。
…ロッカーと鞄は開けない。
「あ、次!移動だ!!」
「先行っててー、ロッカーから荷物取ってくる!!」
「待ってるよ!!」
だいじょぶだってばー!と言って一人ロッカールームに戻った。
ロッカーを開ける前はまず深呼吸。
じゃないと。
「あちゃー…生物の教科書、やられちゃってる」
自分を支えられない。
教科書、ノートに書き尽くされた非傍中傷のコトバ。
「置き勉やめろってことだよね」
ダメになっちゃった教科書、ノートは全部鞄に入れて持ちかえる。
「鍵さん、ちゃんと守ってくれないと!」
少し泣きそうになりながら、無理矢理笑ってロッカーに付けている鍵をつっついた。
「せんせーい!教科書、ノート忘れちゃった!」
「高崎、俺の見るー?」
「直人の落書きだらけじゃん!読めないよー」
「光、あたしの見なよ」
「わー!優美、大好きっ」
「俺はー?」
「うん、好き好き」
「適当ー!」
「お前ら廊下いくか…?」
「「「やだー」」」
友達がいれば、大丈夫。