Drop Piece
「………」
ドラマの現場にも影響がでてくるようになってしまった。
「シーン72ってお前じゃねぇの?」
ほら、とスタジオを指差しながらいちるがあたしを見下ろす。
「……ごめっ…」
急いで立ち上がろうとしたら、いちるに肩を押され再びイスに座らせられる。
「え」
何、といちるを見上げたら何とも言えない表情をしていた。
「お前さ、どうした?」
「……!な…にが…?」
どうした、っていうのは最近のあたしの様子を指してなのか、それとも他のことなのか。
「…なんもないなんて言わせねぇよ。絶対なんかあったような顔しやがって」
「…いちる」
でも、でもね、いちる。
こんなこと、あたしが我慢すればいいだけのことだから。
それに、迷惑かけたくないよ。
「だいじょぶ!超元気!最近、お腹の調子が悪いの」
えへへ、と笑うと複雑そうにあたしを見て、ため息をついた。
「じゃ、いってきまーす」
「……あぁ」
だけど、ありがとう。いちる。
─ピピッ
携帯を軽く操作し、通話ボタンを押した。
「あ、わりぃな。ちょっと頼みてぇんだけど」