Drop Piece
するといきなり晴翔くんが口元を隠す。
「ど…どうしたんですか?」
「べ…つにっ」
全然別に、そうじゃないのに…。
首を傾げて晴翔くんを覗き込むと今度は顔まで逸らされた。
「……?あ、レコーディングは終わったんですか?」
「まだ…やってる。俺は合間にバラエティの収録で…来た」
「そうなんですか…」
今だに顔を合わせてくれない。また変なこと言っちゃったかな…。
「あー…のさ」
「はい」
「今、時間って暇?」
「え、…暇ですけど…」
「差し入れでさ、け…ケーキ貰ったんだけど!お前も食う?」
ケーキ、と聞いてぱぁっ、と顔が明るくなるのがわかる。
「いいんですかっ?」
「暇だったら」
「食べたいです!!」
着いてこいよ、という晴翔くんのあとを追い掛けた。
"桐谷晴翔様"と書かれた部屋に入る。
机の上にはバラエティの資料らしきプリントが散乱していて、ソファにはギターが置いてあった。
「ギターやるんですか?」
「今日決まったんだけどな、そこ座って」
指されたソファに腰掛けると、ベリータルトが目の前に置かれる。
「美味しそうっいいんですか?ほんとにっ」
「俺、ケーキそんな好きじゃねぇから…っ」
遠慮なくケーキを口に運ぶ。