ウルフ
『レイいいの?まだ何があるかわからないよ?』


レイと呼ばれた旅人はロボットの方へ振り返る


『問題ない』


『結構で…』


レイと呼ばれた旅人はそう言うと元に向き直り足を早めた


数百メートル進んだ所に明かりがともった小屋があった


『あの~、ごめんくださ~い』


レイと呼ばれた旅人は体を包んでいた布切れに付いた雪をはたいて小屋の主へ呼び掛けた

『どうなさった?何か用かい?』


しばらくして奥から現れたのは70代近くの老人だった


『こんばんは、突然ですみませんが日が明けるまで置いてもらえませんか?』


レイと呼ばれた旅人は、普段の冷徹な表情からは到底創造できない満面の笑みで質問した

『あぁ~いいとも、こんな狭いとこじゃが私は大歓迎じゃよ』


『ありがとう、おじいさん』


レイと呼ばれた旅人は更に輝きを増した笑みで答えた


『ある意味寒い…』


ロボットが言う


『まんざらでもないな僕も…』


レイと呼ばれた旅人がボソリと呟く


『追い出されない内に早く入ったら?』


ロボットが言う
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