ウルフ
レイの目に飛び込んできたのはおじいさんとおばあさん…


いや、おばあさんとは言えない姿をしたものだった


体のいたる所から緑色の液体が流れだし、顔には目が1つで口が2つ付いていた


また手足は腐食し始めていて、まるで原型を留めていなくドロドロに溶けていた


『ぐっ…なんだあれは』


レイは先ほど食べた物が、逆流するのを必死で堪えた


『これは…ただの病気ではないな…』


レイはもと来た廊下を戻り、ロボットが待つリビングへと戻った


『どうだった?』


ロボットが問う


『……やばい』


レイは先ほど見たものを思い出さないようにした


『あれ?おじいさん、どうかされました?』

ロボットが言う


『えっ?』


レイが振り向いたそこには、先ほどとは表情が明らかに違うおじいさんが立っていた


『旅人さん見てしまったんですね?』


『すいません好奇心でつい…』


レイは自然とホルスターに手をかざしながら言った


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