※愛は送料無料♪〜Beautiful Love編〜
あたしがぎょっとしてるのを
すこし意地悪げな目で笑って
蓮井サンはあたしを抱えたまま
コスモス畑を歩き出す。
濃淡のピンクと白の可憐な花が
秋の風にちいさく揺れている。
「…きれい」
率直にそんな言葉しか出てこない。
「清く美しく人を愛するって意味があるんだろ? コスモスの花言葉に」
「そうです。純真と真心」
「笑顔と真心がモットーのすまいる急便と少しかぶるな」
蓮井サンが目尻を下げて
おどけるように笑う。
「蓮井サンのサービスって本当に気持ちがいいくらい会社の方針通りですよね」
「うん、この仕事好きだからね。
日々いろんな人に出会えるし。荷物を届けた人に喜んでもらえると、その人の笑顔を見るとこっちまで嬉しくなる」
なかでも蓮井サンは
いつも明るく玄関先で迎えてくれるあたしに
いつしか荷物を届けるのが
楽しみになっていたらしい。
「柴田さんはいつも帰り際に笑って『ご苦労さまです』って僕に言ってくれたでしょ?
あれ僕のなかではすごく嬉しくて、柴田さんの言葉と笑顔に癒されて『よし、あと残りの配達頑張ろう!』って気合いが入るんだ」
蓮井サンは
あたしが蓮井サンの笑顔に惹かれたように
自分もあたしの笑顔に惹かれていたんだって言ってくれた。