大切なもの

…過去の恋。そして現在。

メールではとても優しい純君。

でも、学校ではやっぱり話しても素っ気ない。


どっちがほんとの純君?

やっぱり、
あの笑顔は私には見せてくれないの?



ちょうどその頃だった。



「美咲??」

いつもは明るくおはようと言ってくる美咲が今日は少し暗かったので
聞いてみた。


「うち、彼氏と別れた。」
「えっ??あんなにらぶらぶだったのになんで??」
「私からふったの。
好きな人が出来たから・・・
でね、彼が優しく頑張れっていってくれたから
すごい申し訳なくて…」

「そっか…
でも美咲は悪くないよ。
人を好きになるのは
いけないことじゃない。
好きな人がいるのに
そのまま付き合い続ける方が傷付けると思う。
元彼さんのためにも
頑張らなきゃだよ!!」

「ありがとう、里美。」

「で、好きな人って誰?」

私が聞くと……


「うん…まだ秘密。」

「なんでよ。うちらに秘密何て無しでしょ!!」


「そーだけど…
やっぱり秘密!!…」

『えっ?美咲?』
冗談を言うように
好きな人を隠す美咲だけど
里美はその裏の美咲の
切なそうな顔を読み取った。
まさか……
里美にかすかな疑惑がよぎる。

「そんなー!!」


里美もまたそんな疑惑と
美咲の切ない顔に気付いたことを隠すように
返事を返す。


私たちは、ふざけあって学校へ向かった。

その後は普通に話していたけれど
あの時の美咲の反応は何だったんだろう?


まさか…
美咲も純君の事……。
< 22 / 100 >

この作品をシェア

pagetop