冬物語
「未来…」
あたしはハッとなり、急いでレイから離れる。
「レイ?」
「…未来。俺今日もう帰るわ。みんなに言っといて。」
「え?!どうして?」
「綺魅と話したいことあるし。」
レイがそう言うと、羽田さんはあたしの方を見る。
悲しそうな瞳(め)。
「矢野さん…だよね?」
少しびっくりした。
正直覚えられてるとは思ってなかったし。
「ちゃんと…私にレイを返してね?」
ぇ…?
「…未来。」
あたしとレイに近づいてきたと思ったら、笑いながら言う羽田さんに、あたしはびっくりした。
「久しぶりに会ったんだもん。しょうがないよね。
でも…もうお馴染みじゃないよね?そんなに仲良くする必要ないでしょ?」
頭を鈍器で殴られたみたいだった。
「未来!」
「レイ。なんで必死になっているの?」
「綺魅とは…
もう会えないんだから…最後の挨拶くらいいいだろ?」
冷たい。
レイ。いつからそんな顔で笑うようになったの?