コガネ《短》

ため息をついて、それを見つめる。
告白のチャンスを無駄にした張本人に、軽く殺意を抱いた。

しかし俺は、その次の先生の行動に目を見開いた。
先生は「オスだわ」とぽつりと呟くと、ミツバチを素手でつまんだのだ。

「ちょッ…!先生刺され…!」

「ああ、大丈夫よ。オスは刺さないの」

慌てる俺に、先生はやんわりと笑ってそう言って

そこで、思い出した。
この前読んだ、ミチバツの生態についての本。



「雄蜂は刺さない」

確か、そう記されていた。

でも何故、先生がそんな事を知っているのか?
俺が首を傾げると、それが伝わったのか、先生は照れたように笑った。


「調べたの。勉強しなくちゃって思って…」

「―何で?」

聞くと、先生は頬をほんのり赤くして笑って



躊躇うようにゆっくりと、小さな口を開いた。
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