コガネ《短》
「…ん、幸村くん?」
目を瞬かせて、肩に乗っている俺の手と顔を交互に見る。
また、心臓が大きく跳ね上がった。
暴れる心臓、抑えていた、閉じ込めていたもの。
―先生を前にして、耐えるのは。
ただ、苦しかった。
だから
もういっそ、ここで。
……言ってしまえば、楽なんじゃないか。
先生の肩に乗せた掌に、力が入る。
俺は、口を開いて―
「あ!」
…そこで。
先生が、俺の肩を指差して声を上げた。
「!?」
俺は予期せぬことに冷静に対処できず、間抜けな声を上げて、その指す先を見た。
…そこには
―ケツを震わせて俺の肩を歩き回っている、黄金色の、丸々とした一匹のミツバチがいた。