あなたは講師
今日は土曜日。

帰宅部の私には部活なんてない。ようちゃんに会いに、最後のお別れに、学校にきた。


理科室なんて来るかどうかわからないけど…何故かようちゃんなら来る気がして…。


理科室のドアに手をかけた。
「…あれ!?あいてる?」

少し不信に思いつつ中へ入った。

ふと最初に出会った時を思い出した。
「好きになんて…、ならないと思ってたのにな…」
小さく笑って呟いた。先生は嫌いだったけど、ようちゃんはなにか違った…

実験の話になると熱くなって、本当に子供みたいに笑うギャップもあって、でも大人なアドバイスをくれたり、励ましてくれた。

いつもようちゃんが座っていた椅子に座って理科室を見渡した。

「なにしてんの?」
「ふぇッ!ぎゃ!」
入口のドアに寄りかかった人にビックリして、椅子から落ちた。

大丈夫か、って笑いながら起こしてくれるようちゃん。

「ようちゃん…。あのね私ね昨日なっちゃんに聞いたの!ようちゃんが福岡行くって…だから.」
「そんなに早口で言われても分かんないよ。」

眉を下げて笑うようちゃんを見て一緒に笑った。


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