あなたは講師
電車に乗って30分、そこから20分おきにくるシャトルバスで10分。

割りと人気のある水族館で、週末なだけに人は多かった。


「やっぱ人多いな…」
少し苦笑いをしながら、ぽつりと呟く拓馬に比べ、テンションが最高潮に達している稚葉と章大くん。

「超久しぶりなんだけど〜!」
「俺も、俺も!ねぇ稚葉どこから行くっ?」

章大くんは稚葉のはしゃぐ姿の方が良いみたいだけど。
私たちは館内を順に進み、最後にイルカとアシカのショーを見る事にした。

稚葉達のために別行動する。すると必然的に拓馬と二人きりになってしまう。

何だか照れちゃう。

「何か照れるな!」
はにかみ笑う拓馬は、明らかに私を和ませてくれているのが分かった。

「ありがとう」

拓馬は何が?と言いながら歩きはじめた。















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