あなたは講師


今日は拓馬の家で話し合いをするのだ。
これからについて。




と言うと喧嘩とか結婚っぽいけど、実は先日の私の発言についてなのだ。
『メガネかけちゃだめ』
まぁ、話し合いと言う名のまったりデートなんだけど。



「おぉ、いらっしゃい…入って!」

「あ、メガネ……」

出迎えた拓馬はメガネをかけていた。
驚いていると、拓馬は肩を震わせ笑っていた。

「な、なんで笑うのさぁ!」

私よりはるかに高い位置にある肩を軽く殴ると、頭にぽんぽんと手をのせた。

「お前さ、メガネ好きだろ?だって、目が輝いてるし…」

そう言ってまた笑いはじめた。



あの人も、メガネかけてたな…



ずこーん!
「…いってぇ!ちょ、拓馬!なにすんのよ!」

「なに考えてんだよ、暗いぞっ!」

ほっぺをつねられ顔を引きつらせながら、やめへほ!と睨むとまた吹き出した。


「…んな、暗い顔すんな。なんでも言えとか言わねぇから、誰かに愚痴こぼせ。」

そう言って頭をかきまわし、キッチンへ消えていった。





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