ぎゅっとして
「慧、寝てばっかりいるから気付かないんだよ。ああいうきれいな人だっているんだから、この大学」


「ふーん・・・・。あの人だったら、付き合ってもいいかもな」


ぎゅっと心臓を鷲づかみにされたような気がした。


「・・・・・だったら、付き合っちゃえば。慧が告白すれば、もしかしたらうまく行くかもよ」


わざとふざけて、たきつけるようなことを言ってしまうあたし。


我ながら、素直じゃない・・・・・。


「バーカ。何で俺が告白するんだよ。付き合ってもいいかなって思っただけで、別に好きになったわけじゃない」


呆れたようにあたしを見てそう言う慧。


「あ・・・・・そう」


「お前こそ、好きな男とかいないの?彼氏の1人も作らないと、キャンパスライフもつまんないじゃないの?」
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