空の少女と海の少年


「……その瞳…。」

「……敵?蓮は敵なの?」

「僕は春ちゃんの味方だよ。敵はあの女の子。」


蓮が優しく言うと春は首を傾げた
蓮はクスクスと笑い
由紀は言葉を失う


「じゃあね。」


そう言って蓮は春を抱えて闇に消えた


「……春。」


その闇を消すかのように
太陽が登り始め風が吹いた
由紀はしばらくその場に
立ち尽くしたがすぐに
学生寮に向かって走り出した


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