空の少女と海の少年


「──奈々、陸、どこに行くの?」

「何にやけてるんだよ陸。キモい。」


春と海斗はあの後すぐ
部屋に入ってきた2人に
腕を引っ張られながら歩いていた


「はい、着いたわよ!」

「ん?free styleじゃん。なんで?」

「いいからいいからっ!ほら、入れよ!」


扉を開けて4人は中に入った

パンパンパンパンッ!


「「春ちゃんっ!海斗っ!」」

「「「「「おめでとう!!」」」」」


店の中にクラッカーが鳴り響き
目の前にはS組メンバーが
笑顔で並んでいた

店内はいつもの
落ち着いた雰囲気とは違い
色とりどりの花や煌びやかな
宝石で飾られている


状況が分からずに慌ててる春とは違い
勘の鋭い海斗は陸を睨んだ


「……まさかお前見てたのか?」

「海斗君片思い卒業パーティー☆」

「……答えになってねえよ。見てたのか?」

「それはだね〜…。」


陸がニヤニヤと笑いながら
指差した方には由紀がいた


「……由紀め…千里眼使いやがったな。」

「ま、よかったじゃねーの。みんなで準備したんだぜ。楽しめよ。」

「……そうだな。」


2人はマスター特製の料理を
食べる為にテーブルへ向かった


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