空の少女と海の少年


──気を失っていた医師を起こして
玲と蘭の診察をさせると
医師はとても驚いた

どうやっても戻らなかった
意識が戻っている上に
蘭の胸の傷まで綺麗に消えていたから

退院を許可された2人と共に
春達は奈央に案内されて
カフェ¨free style¨にいた

いつか開いたパーティーの時のように
店内は華やかに飾り付けられていて
テーブルの上には
マスター特製の料理が
たっぷりと並べてある


「皆様お疲れ様でした。これは私からのご褒美ですから、たくさん召し上がって下さいね。」

「「マスター大好きーっ!」」


玲と蘭は目を輝かせて
美味しそうなケーキを取って
幸せそうに頬張った


「奈々っ!ケーキとパスタどっちがいい?それとも俺っ!?」

「その口潰すわよ。」

「え?俺っ!?いや〜参ったな〜。」

「……ちゃんと機能しない耳なんて、いらないわよね?」

「いっいえ!!はいパスタ!」


ジュエルを変化させて
黒い笑顔を浮かべる奈々に
命の危険を感じた陸は
速攻でパスタを差し出した


「ねー奈央。そういえばさっきの女の人誰?ほら、病室から出てきた人。」

「あー……。あの人は玲と蘭のお母さん。」


チラリと玲と蘭を見た後
奈央は苦笑いした


「え……?でも¨道具¨って……。」

「あの人は2人のことをそう思ってるんだよ。ほんと、腐ってるよ。」

「………。」


自分の子供を道具としてしか見れない
そんなお母さんもいるんだ


そう思うと
春はなんだか悲しくなった


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