空の少女と海の少年


バンッ!


勢い良く開いた扉の前に立つのは
無表情で冷気を放つ海斗と
笑顔で闇の塊を持った蓮

奈々の考えを一瞬で理解した陸は
冷や汗が背中を流れるのを感じて
春をすぐにどかそうとしたが


「陸っ変なとこ触らないでよ〜。」

「はいいっ!?楠木っまじで「「変なとこ?」」


氷よりも、液体窒素よりも
冷たい声が耳に入って
陸はゆっくりと扉に視線を戻した


「へえ……陸。お前そんなに氷の彫刻になりたかったのか。」

「なりたくないですなりたくないですなりたくないです!」

「りっくん。誰の許可を得て春ちゃんに触れてるの?……ああ、もしかして闇に喰われたかった?ごめんね。気付かなくて。」

「喰われたくないです喰われたくないです喰われたくないです!」


陸が一生懸命否定すると
二人はにっこりと微笑んだ


「春、降りて毛布被っとけ。」

「ありがとー海斗っ。」

「ええ!?毛布ってどういうことおっ!!」

「「煩い。」」


春が離れていくと
陸はこの世に別れを告げた

床に横たわる陸を放置して
海斗と蓮は速攻で春の元に向かった

その光景を見ていた奈々達は
涙を流して爆笑し、そして


「………ぐすん。」


陸は静かに涙を流しました


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