空の少女と海の少年


──小さな窓の向こうは
雲の上に広がる青い空

春は目を輝かせて
その景色を見つめる


「海斗っ高いよっ!」

「ん、そうだな。」


窓にへばりついて
騒ぎまくる春に
海斗が優しく微笑むと

シートベルトを確認して
回っていたスチュワーデスが
顔を真っ赤にして倒れた


「ちょっ!主任っ!?誰か担架!」

「大丈夫ですか!?」


原因である海斗は
倒れたスチュワーデスに
気付きもせずに
雑誌を読んでいる


そうです、S組のみんなは
飛行機に乗っていました

荷物を持って
校長室から魔法陣に乗り
着いたところは羽田空港

協会の人間に案内されて
いつの間にか飛行機の中


奈々は溜め息をついて
校長に渡された
¨旅のしおり2¨を
退屈そうにぱらぱらと捲る


「ったく。どこに行くのか書いてないわ。」


使えないわね
奈々がしおりを鞄にしまうと
由紀はスチュワーデスに尋ねた


「この飛行機はどこ行き?」

「……申し訳ありません。着くまで教えてはいけないと言われております。」


スチュワーデスは一礼して
奥の部屋に戻っていった


そこまでして秘密にしたい場所なの?


奈々が考えてると
由紀は呆れたように溜め息をついた


「訳が分からない。あの校長の心だけは分からない。」

「由紀、行き先が分かったのね!どこなの?」

「……期待しない方がいいよ。私は寝る。」

「は?ちょっ由紀!教えなさいよ!」


奈々の反応を楽しみながら
由紀は少しばかりの眠りについた


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