空の少女と海の少年
──海斗っ
いつも春のこと
守ってくれてありがとねっ!
……春?
──見て見てっ!凄いでしょ?
……春…行くな
──海斗ーっ!?
……お前は俺が守るんだ…!
「──海斗!起きなさい!」
「起きろ!大変なんだ!」
「……は…る…春っ!陸っ、春はどこだ!」
陸の胸ぐらを掴む海斗を抑え
奈々は上空を指差した
空で繰り広げられる戦いに
海斗は目を見開いた
「……春…?」
あれが春?
嘘だろ……?
春が戦える訳がない
だから俺が守るんだ
待ってろ春、今助けるから
海斗は立ち上がろうとするが
体に力が入らずに倒れかける
とっさに陸が海斗支えると
奈々は海斗にゆっくり説明した
「私と陸が気付いた時にはもう戦ってたわ。でも、いつもの春ならあんなに戦えるはずないわよね?」
海斗が頷くのを見て奈々は続けた
「……春は¨暴走¨しているわ。お爺さんが言ってたわよね?¨大きすぎる力は諸刃の剣だ¨って。あれは能力の暴走……春は自我を失ってる。」
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