空の少女と海の少年


奈々が悔しそうに空を見ると
海斗と陸も空を見た

お互いに一歩も引かない
凄まじい戦いが
繰り広げられてる空を


「……俺達にはどうすることもできないのか。楠木が戦ってるのに。」

「あのスピードにはついて行けないわ……。」

「……くそっ!」


海斗は拳を握り締めて
地面を殴りつけた


いくら魔物を倒しても
守りたい者を守れないなら


「こんな能力……いらねえ……。」


何が¨海¨だよ
¨海¨って何なんだよ

俺が春を守らなきゃいけないのに
何で守られてるんだよ


「ふざけんなよ……。」


今の3人ではただ春の無事を
祈ることしかできなかった


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