空の少女と海の少年
──春は目の前の光景を疑った
花畑に座りながら
楽しそうに微笑むリール
後ろに控えている2人の魔神
剣を構え、狙いを定めるカノン
『さらばだ、雷神。』
その先に倒れているのは
『すまない……春…ウタ…。』
「……サ…ラ…?」
純白のローブは血に染まり
苦しそうに顔を歪めている
春は頭が真っ白になって
次の瞬間にはサラの前に移動して
カノンの腹に拳を入れる
しかし、春の攻撃が当たる前に
カノンは突風によって吹き飛ばされた
『絶対に許さないから。』
「ウタ……。」
春と同じようにサラの前に立つウタ
いつもの笑顔は消え去り
怒りの籠もった瞳でカノンを睨む
『春ちゃん。あいつは僕がやるからサラをお願い。』
「でも……『お願い。』
言葉を遮り強い口調で言うと
春は頷いて光の力でサラの治療を始めた
力を使いこなしているようで
全身にあった傷はすぐに消えた
ちゃんと完全覚醒してるじゃん
あの時魔神に中途半端に
完全覚醒されたおかげで
スムーズに進んだのか
そんな事を考えながら
ウタは右手を前に突き出し
薄い緑色をした銃を作り出した
『カノン、僕が相手になるよ。』
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