空の少女と海の少年
「──……夢……?」
海の神殿で目が覚めた春は
今見た夢を思い返していた
あれは小さい頃の春達
人間界に来る前の記憶
春は小さく溜め息をつくと
まだ床で眠る3人の仲間と
その近くで眠るカイとクウを見た
「……何で春だけ起きてるんだろ。……まあいいや。」
立ち上がると体が軽いし
今まで欠けていたものが
ぴったりのはまった感覚に
完全覚醒は無事に終わったのを理解する
それなら、春のやる事はひとつだけ
仲間が目覚めるのを
待っている時間なんてない
楽園にある強い闇の力を
ピリピリと肌に感じていた
「リール……。」
遂にこの時が来たんだ
この時の為に春達は頑張ってきたんだもん
焦る気持ちを抑えるように
ゆっくりと深呼吸をし
精神を集中させていく
風を纏いながら空間を繋げると
春は一瞬で楽園へと移動した
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