空の少女と海の少年


凄まじかった爆発も
段々と収まってきていた

緊迫した空気を吐き出して
クウが結界を消し去ると
後ろで蓮が無言で立ち上がった


こういう時は何て
声をかければいいのか

長い間カイ以外と関わりを
持たなかったクウには分からなくて
とりあえず黙っておいた



色とりどりの花が咲き乱れていた花畑は
むき出しの地面に枯れた花しかない
荒野へと姿を変えていた

クウの結界のおかげで無事だった花が
風に揺れてサワサワと泣いている


クウは煙に包まれた場所
春とリールがいる筈の場所を
睨み付けるようにして見つめる

2人の気配は消えていないのを感じた時
バサリという音と共に風が起こって
一瞬にして煙を晴らした


漆黒の羽根を休めると
無傷のリールは鎌を構え
同じく無傷の春は雷を纏っている


『危ない危ない。結界張るの遅れたらヤバかったかも。』

「……何で魔神様を殺したの。仲間なんじゃないの?」

『仲間……?ふざけないでよ。あれは私の道具に過ぎない。まあ、役に立たなかったけどね。』

「!!ふざけ「道具……?」


春の声を遮ったのは
静かな怒りを含んだ蓮の声

全身から溢れる殺気に
春とクウは思わず目を見開き
リールはつまらなそうに蓮を見る


「あんた、消してやるよ。」


顔を上げた蓮の瞳には
憎しみが渦巻いていた


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