空の少女と海の少年
周りを覆っていた砂煙が晴れ
ゆっくりと目を開いた海斗は
目の前の光景に眉を潜めた
海斗達はさっきまでテノンと戦っていた
と言っても実際戦っていたのは陸で
テノンとは正々堂々戦いたかったらしい
しかし、突然爆発が起こった
少し前に目覚めた奈々とカイが
結界を張っていなければ
海斗達は危なかっただろう
テノンがどうなったのかは知らない
やっと爆発が収まったと思ったら
今度は突風が海斗達を襲い
目を開けたらここにいた
「ったく……訳が分かんねえな!」
「分かってない馬鹿は陸だけよ。」
『本当に馬鹿ね。』
奈々とカイにバッサリと言われ
泣きそうになってる陸を放置し
海斗は改めて周りを見た
突風の原因である蓮は殺気で満ち
爆発の原因である春は
体にパチパチと雷を纏っている
そして、前で座るクウの視線の先を見て
海斗は不機嫌そうに顔を歪めた
鎌を構える漆黒の堕天使
「……リール。」
『面倒くさくなってきたね……。』
誰にも聞こえない程に小さな声で
リールはポツリと呟くと
黒雲で覆われた空を見上げた
……私の復讐はまだ始まったばかりだよ。
誰にも邪魔させない
『ちょっと早いけど、出し惜しみは必要ないよね。』
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