スタッカート

「……中学生か、お前は」

ぼそりとそう呟いた佐伯は、その言葉に首を傾げる私に、なんでもない、と顔の前で手をひらひらさせた。

そして深くため息をついたあと、両膝の上に乗せた掌にギュッと力を入れるのが見えた。

「なんつーか。伊上ってさ、結構冷めてるっつーか、いつも他人と線引いて、一人だけ別のところに居るような、そういう奴だと思ってたんだけど」

そう言葉を切った佐伯はゆっくりと視線を移して、困惑気味の私の顔を見つめてきた。
その表情が苦しげなことに、私はきょとんと首を傾げて。

そんな私に、彼は眉を下げて笑った。


「居るんだな、ちゃんと。“そういう伊上”じゃない伊上に、させるような、奴が」
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