スタッカート
「どんなに止めたってもうきかなかった。
そしてある日、トキのことを友達なんだって言うようになった」
佐伯は苦々しげに言うと、腕に抱えていた楽譜をピアノの上に置き、視線を鍵盤へと下げた。
「正直、あまりいい気分はしなかった。友達は必要だとは思っていた。人見知りを少しでも直して、外に出ることも。……だけど、関わっている奴が、問題だった。
いい噂をきかない家の子供で、これから妹が何をされるか分からない。
それがすごく不安だった。妹はもともと体が丈夫じゃなかったし、小さくて弱い。
……けど、
その反面、嬉しかったんだ」