スタッカート


「どんなに止めたってもうきかなかった。

そしてある日、トキのことを友達なんだって言うようになった」


佐伯は苦々しげに言うと、腕に抱えていた楽譜をピアノの上に置き、視線を鍵盤へと下げた。


「正直、あまりいい気分はしなかった。友達は必要だとは思っていた。人見知りを少しでも直して、外に出ることも。……だけど、関わっている奴が、問題だった。


いい噂をきかない家の子供で、これから妹が何をされるか分からない。

それがすごく不安だった。妹はもともと体が丈夫じゃなかったし、小さくて弱い。


……けど、




その反面、嬉しかったんだ」








< 306 / 404 >

この作品をシェア

pagetop