スタッカート
余りにも愉しそうに、銀のピアスの男の子が笑うので
私は酷く狼狽してしまった。
―お気に入り?
その言葉が、飲み込めない。
訳がわからない。
……ああ、そうか。
何か勘違いしているんだ、この男の子は。
その誤解を解くために、私は首を横に振った。
そういうことじゃないってことを。
他人だってことを。
…そう言おうと、口を開いたのに。
「何してんだ、お前」
背後から聞こえたその声によって、それは見事に遮られてしまった。