スタッカート
かさかさと、窓から入ってきた冷えた風を受けて、床に散らばったプリントが音をたてる。
傾いた夕陽が、隙間という隙間を抜けて、薄暗い資料室を柔らかな橙一色に染め上げていた。
―…沈黙。
話し終わってから、どれぐらい経ったのか。
……―トキは、床に散らばるプリントに視線を落としたまま、一度も口を開かないでいた。
考えているというよりは、ただぼうっとしているだけのように見えるその様子に、私はすっかり焦ってしまった。
表情から、何も読み取れないのだ。
そうやってそわそわと指先をいじったりしていると、トキが、一つため息をついて口を開いた。
「………独りじゃ…ないんだな」