好きだけじゃダメ？！

「素直でよろしい」

そう言って私の頭をくしゃくしゃっと撫でる

その姿を微笑みながら見るマネージャーさん。

もう、逃げられない


そう思ってテーブルの所に戻った





そもそも、なんでこうなったんだっけ？

私は冷め切ったコーヒーを飲む


テーブルの上にマネージャーさんがたくさんの本を置く


「参考になれば」

ニコッと笑った顔が熊みたいに可愛かった

マネージャーさんは多分30代後半の優しい感じの体格のいいおじさんだった


「それと、着替えなど適当に用意しました」

紙袋2袋分いっぱいに入っていた

「スタイリストの方から譲っていただいたので変な服はないと思います」


袋を除くと沢山の服が入っていた

「あの～私は家には帰れないのでしょうか？」


「はい。瑛士がいいと言うまでは」


「家に鍵は？」


「きちんと閉めましたよ。瑛士に鍵は渡してありますから心配はいりませんよ」

瑛士に鍵が渡っていることが一番不安なのは私だけでしょうか・・・


「あのー。帰れないのはいつまででしょう。」

瑛士のほうを向き聞いてみる


「イベント終わるまで」

ニヤっと答える瑛士

もう諦めるしかない空気。

「着替えはありがたいのですが、し・下着が・・・」




「それなら、新しいものを用意しました」


そう言いながら玄関に置かれた袋を持ってくるマネージャーさん

それを渡され開けてみる


「サイズ合ってるし・・・」



「瑛士得意なんですよサイズ当て。」


おいおい、そんなの得意で良いのかよ。


「あと・・・、普通マネージャーさんならタレントに女性問題とかにならないようにするんだないですか？
女性を遠ざけたりしないんですか？」


「陸ならさせないけど、瑛士なら問題ないかな～」

何でだよ～瑛士も問題でしょ？