約束

愛情

それからタクシーで家に帰った。

ガチャガチャ

閉まってる…
このままここで立ってるのも嫌だしなぁ…
そう考えているうちに、雪が降ってきた。普通の時に降る雪は嬉しいけど、今は嬉しくない。

「うぅ…グス…寒いよぉ…」

外はもう吹雪だ。

ガラガラ

すると、向かい側の家の窓が開いた。

「美姫か!?」

私は涙をぬぐった。

「…桜井くん…?」

桜井くんは、すぐに窓を閉めて外にでできた。
それから桜井くんに連れられて、桜井くんの家に入った。桜井くんの家は、大きくて立派な家だ。

「…桜井くん…ごめんね…」

「気にすんなって。で、何で外にいたんだ?」

「ちょっと出かけてて、帰ってきたら閉まってた…」

「そっか…じゃあ、朝までここにいろよ。どうせ近いんだし。」

「え…でも親とかに悪いじゃん…」

「でも、外で凍えているよりはマシだろ?」

「でも…」

「いいから!凍えてるだろ?風呂入れよ。準備しとくからな。」

「うん…」

迷惑かもしれないけど、今日だけ。本当に今日限りだから…。

お風呂に入りながら思った。

桜井くん…桜井くんの笑顔が頭に浮かぶ。私…桜井くんの事、好きなのかな…

お風呂から上がって、桜井くんの所に行った。

「お風呂ありがとう。」

でも、桜井くんは黙ったまま私を見つめている。

「桜井くん?」

ガバッ

え…?
桜井くん?
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