夕暮れ行進曲
 本当は俺も相当へこんだんだけど。

「あ、今日俺吹奏楽部の演奏見に行くけど?」

 三井が言った。

「どうせ工藤さん見にいくんだろ?」

 三井は「馬鹿!」と言って人差し指を立てて口元に持っていった。

「聞こえんだろうが。」

 そんな心配しなくても工藤さんはお前には興味ないよ。

「お前は行く?」

「俺はいいよ。」

 俺がすることは決まっていた。放課後、吹奏楽部なんてどうでもいい。

 担任の伊藤先生が教室に入ってきた。HRが始まる。
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