つま先立ちの恋
「そだっ、これ返す…暑いんだもん」

慌てて学ランを脱ごうとした私の手首を日焼けした手が掴んだ。顔を上げたら、和泉だった。

そりゃそうだ。今ここには和泉と私しかいないんだから。

だけどさ、なんかその後の行動がよくわからないんだけど。

和泉に掴まれた手首が痛いって思ったのは、和泉が力強く引っ張ったからだった。体重が傾いた私はそのままポスン、和泉の腕の中に落ちる。

「あ、ごめん、、、」

反射的に何故かその言葉が出てきて、なんで私が謝るのかよくわかんないんだけど。

そうしたら背中に太い腕が回されて、和泉が力をこめてきた。さっき掴まれた手首なんかよりもずっと強くて痛くて。


よくわかんないんだけど。


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