つま先立ちの恋
「シロ先生!」


来客用スリッパでペタペタ廊下を歩いているシロ先生を、階段で待ち伏せ。ぴょん、と一段飛び降りてシロ先生の所へ行くと、シロ先生は私を指差しながらその先をぐるぐる回して、

「あぁ、え~と誰やったか? 放送部の子の…」

「葵ちゃんの友だちの孫です。孫灯歌」

「そうそう、孫ちゃんな。何してんねん? 部活か?」

「ブー。補習。本当は来たくなかったんだけどね」

「そら大変やな」

シロ先生は腕組みしながら息を吐き出す。本当に大変だって思ってくれてるのを感じて、私は何だか照れ笑いだ。

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