つま先立ちの恋
勢い任せに叫んだせいで顔に血が集まっていた私。恥ずかしさにますます顔が熱くなる。

明人さんは微笑みを崩さないまま、だけど、その目は私を映していないような口振りで。

「じゃあ、今度は俺から言わせてもらおう」

私は眉をひそめて先を促す。

そして明人さんはこう言った。

「馬鹿と何も知らないということは、同じようでいて実は全く違うんだよ」

「何を言いたいのかさっぱりなんですけど。どういう意味ですか?」

意味がわからないと、ますます眉をしかめる私。だけど、明人さんは、

「わからないことは自分で答えを出した方がいいよ。クセになる。それに、いつも正しい答えをみんながみんな与えてくれるとは限らないからね」

そう言って、細めていた目を少しだけ開いて私を見つめた。

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